働くということ ― 2007/10/08 19:05

今日、大手レストラン・チェーン系列の飲食店で食事をした。いわゆるクイック・レストランというやつだ。店舗の形式としては牛丼チェーン店なんかと変わりないのだが、この手のレストラン系のお店で気になることがある。

店員の手際が物凄く悪いのである。

食券を受け取るのもままならない。おどおどしていて、客に呼ばれてもうわの空。食事を終えて客が帰ってもなかなか食器を下げない。厨房に行ったきりカウンターに戻ってこない。終いには店員ではなく社員と思しき人物がワイシャツ姿で接客する、といった具合で素人丸出しなのである。以前にいったことがある店ではオーダーをさばききれずに完全にパニック状態になっていた。

定食屋やラーメン屋ではそれなりのノウハウがあって、混雑時のオーダーをうまくさばいているが、クイック・レストランはどこも急ごしらえのような感じで、スムーズに廻っているところを見た事がない。恐らく、店員が短期アルバイトで定着せず、店の中のコンビネーションが全く出来ていないまま続いてしまうのが原因だろう。

僕はここに危うさを見る。大手資本は金を出して人を集めて仕事を与えれば、後はお客が勝手に来て事が動くものだとでも考えているのだろうか。飲食店の仕事など誰でも出来るものだと考えているのだろうか。確かにクイック・レストランに多くを求める客はいないだろう。単に食事が出来ればいいだけなのだから。

今の世の中は労働の構造は非常に単純化されており、誰でも出来る仕事と誰にでも出来るわけではない仕事と二極化されている。前者は派遣労働者やアルバイトで対応し、後者は正社員でという形式である。

クイック・レストランは料金が安い。それは裏返せば安い労働力で支えられているということである。安い賃金でノウハウもロクに教えてもらえていない店員が満足な仕事など出来るだろうか。まるで動物に餌をやるような感覚で食事をお客に提供するのではないか。

労働に貴賎の別があるべきではないと僕は思う。世の中を動かしているのは圧倒的に単純労働である。ご立派なお仕事だけが労働ではないのだ。その内容が何であれ、労働に従事する人々が自分達のやっていることに誇りをもてないような社会が長続きするとはとても僕には思えないのだ。
Copyright © 苦楽険斗