Peter Gabriel "Peter Gabriel Ⅲ" ― 2007/10/14 19:57
1980年発表。第三作目。
このアルバムは、ロック史上初めてゲート・リバーブ(ドラムにかけられるエコー・エフェクト)を使用したアルバムとしても有名だ。サウンド的に新時代の幕開けを告げたということになるのだろうが、ピーター・ガブリエル("Gabriel"は”ゲイブリエル”と表記すべきだと思うが、レコード会社の表記に準じて、こう書くことにする)の現在までに通じる音楽的基盤を確立したアルバムでもある。07年現在のところ最新作である『アップ(Up)』もこのアルバムの延長線上にあるといってよいだろう。
僕は、恥ずかしながら、ガブリエル在籍時のジェネシスは聴いたことがないので、言い切ってしまうのはためらわれるのだが、この作品までのガブリエルは、いわゆる普通のロックを演っていた。ディストーションのかかったギターがリズムを刻む普通の8ビートの曲を作っていたのだ。それが、このアルバムになると民族音楽への傾倒が強まり、ビートは複雑になった。一曲目の「イントゥルーダー(Intruder)」はリズムこそ8ビートだが、ドラムのハイハットを消し、冒頭に書いたゲート・リバーブをかけることで、強烈な効果を出すことに成功している。
また、ピーター・ガブリエルといえばアムネスティー・インターナショナルへの賛同で知られるように、音楽を通じて積極的に社会へ発言していくミュージシャンでもある。その出発点となったのがこのアルバムだ。ラストの「ビコ(Biko)」は、アパルトヘイト下の南アフリカで虐殺された反人種差別運動家のスティーヴン・ビコについて歌った曲で、ガブリエルの代表曲であると同時にロック史に残る名曲だ。執拗な自己探求もガブリエルというミュージシャンの一面であるが、僕はどちらかというとメッセージ・ソングを歌うガブリエルの方が好きだ。
アルバムの前半はアイデンティティー喪失について歌われている。なんといっても、5曲目の「ファミリー・スナップショット(Family Snapshot)」が衝撃的だ。これは実際にあった事件に基づいて書かれた曲で、孤独に苛まれた人間の狂気を見事に描いている。一転して後半のテーマは「連帯」になる。アメリカの中米政策を非難した「ゲームズ・ウィズアウト・フロンティアーズ(Games Without Frontiers)」、為政者の欺瞞について歌う「ノット・ワン・オブ・アス(Not One Of Us)」、そして前述の「ビコ」へ繋がっていく展開は感動的だ。
一種コンセプト・アルバム的趣のある作品で、緊張から開放へ向かっていく構成が素晴らしい。全ロック・ファン必聴の大傑作アルバム。
このアルバムは、ロック史上初めてゲート・リバーブ(ドラムにかけられるエコー・エフェクト)を使用したアルバムとしても有名だ。サウンド的に新時代の幕開けを告げたということになるのだろうが、ピーター・ガブリエル("Gabriel"は”ゲイブリエル”と表記すべきだと思うが、レコード会社の表記に準じて、こう書くことにする)の現在までに通じる音楽的基盤を確立したアルバムでもある。07年現在のところ最新作である『アップ(Up)』もこのアルバムの延長線上にあるといってよいだろう。
僕は、恥ずかしながら、ガブリエル在籍時のジェネシスは聴いたことがないので、言い切ってしまうのはためらわれるのだが、この作品までのガブリエルは、いわゆる普通のロックを演っていた。ディストーションのかかったギターがリズムを刻む普通の8ビートの曲を作っていたのだ。それが、このアルバムになると民族音楽への傾倒が強まり、ビートは複雑になった。一曲目の「イントゥルーダー(Intruder)」はリズムこそ8ビートだが、ドラムのハイハットを消し、冒頭に書いたゲート・リバーブをかけることで、強烈な効果を出すことに成功している。
また、ピーター・ガブリエルといえばアムネスティー・インターナショナルへの賛同で知られるように、音楽を通じて積極的に社会へ発言していくミュージシャンでもある。その出発点となったのがこのアルバムだ。ラストの「ビコ(Biko)」は、アパルトヘイト下の南アフリカで虐殺された反人種差別運動家のスティーヴン・ビコについて歌った曲で、ガブリエルの代表曲であると同時にロック史に残る名曲だ。執拗な自己探求もガブリエルというミュージシャンの一面であるが、僕はどちらかというとメッセージ・ソングを歌うガブリエルの方が好きだ。
アルバムの前半はアイデンティティー喪失について歌われている。なんといっても、5曲目の「ファミリー・スナップショット(Family Snapshot)」が衝撃的だ。これは実際にあった事件に基づいて書かれた曲で、孤独に苛まれた人間の狂気を見事に描いている。一転して後半のテーマは「連帯」になる。アメリカの中米政策を非難した「ゲームズ・ウィズアウト・フロンティアーズ(Games Without Frontiers)」、為政者の欺瞞について歌う「ノット・ワン・オブ・アス(Not One Of Us)」、そして前述の「ビコ」へ繋がっていく展開は感動的だ。
一種コンセプト・アルバム的趣のある作品で、緊張から開放へ向かっていく構成が素晴らしい。全ロック・ファン必聴の大傑作アルバム。
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